小児白血病【看護計画】【観察項目】【事前課題】

事前課題Excel/Word

小児事前課題 シリーズです!全10疾患!!

事前課題は量がモノを言うと思っていますし、

時間をかける意味はありません

私たち過去の看護学生が時間をかけて実施しているので

ぜひ使ってください!!

大学生活は有限です。友達との時間と睡眠時間を大切にしましょう!

最後にwordダウンロードできるようになっています。

ブログ目標
  1. テスト勉強の際、電車に乗りながらケータイに赤シートをかざして勉強可能である
  2. 実習記録、看護過程の効率化につながる
  3. 実習中追い込まれた看護学生が朝の電車の中で有益な情報を入手できる。笑

※すべて医学書院をはじめとする看護の専門書からの情報です。

[病態]

 白血病は、末梢血液中に幼弱白血球(芽球)が出現し全身臓器に増殖・湿潤をきたす。正常な造血機能は抑制され血小板・赤血球などの生成が減少する疾患。

 血液細胞が造血幹細胞のレベルで形質転換を起こして異常クローン(旺盛な増殖力を持つがん化した血液細胞は、分化能力をほとんど持たず自己再生を繰り返す)の発生により、白血病化する。このため病的白血球は無制限に増殖・湿潤し、正常血液細胞の増殖分化が抑制される。

 小児期の悪性腫瘍の中では最も発生頻度が高い。小児では95%以上が急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病に分けられ、ほぼ同じ発生率である。好発年齢は2〜10歳である。

[症状]

●初発症状

・発熱  ・顔色不良  ・口唇および眼瞼の蒼白化  ・全身倦怠感  ・食欲不振  ・易感染傾向

・出血傾向(歯肉・粘膜の出血斑、紫斑、鼻出血)  ・リンパ節腫脹  ・関節痛  ・頭痛  ・嘔気、嘔吐

●臨床症状

・正常骨髄細胞の減少:赤血球・好中球および血小板の減少

・白血病細胞の他臓器への湿潤:髄膜・脳実質(視力障害、意識障害、食欲不振)

・細胞破壊の亢進:GOT、GPT、LDHなどの上昇、尿酸の上昇による腎排泄機能障害、腎不全、

DICによる出血、FDPの上昇、フィブリノーゲンの低下

[検査]

  • 末梢血像

貧血と血小板減少(患児の2/3認める)血液塗抹標本で、芽球細胞の増加(認められない場合もある)。

  • 骨髄穿刺

骨髄細胞の塗抹標本で確定診断する(芽球細胞が30%以上)。

芽球細胞の特性を解析して治療方針が決定されるが、そのためには、形態学的分類、生化学的分類、細胞表面マーカー分類、染色体所見などを組み合わせ解析される。

  • その他

骨髄穿刺(髄膜湿潤の有無)、X線(胸部単純撮影)で縦隔腫瘍の有無、注意深い触診など。

[治療]

 治療方針はリスク度を分類して決定する。

  •  寛解導入・維持・強化療法

 化学療法で、抗がん剤の効果的な併用療法が用いられるが、薬剤は病型、治療の段階に応じて選択される。

 寛解に導入されると、さらに骨髄中に残存している芽球を減少させ、維持療法では、芽球が再増加しないよう観察管理する。

主な抗白血病剤
分類一般名製品名投与法投与量副作用
ステロイド剤プレドニンプレトニゾロン経口2mg/kgクッシング様顔貌、水分貯留、高血圧、消化管潰瘍、骨粗鬆症、免疫能低下
代謝拮抗剤6-メルカプトプリンロイケリン経口2.5mg/kg/日 60mg/m2骨髄抑制、肝障害、口腔内潰瘍
サイトシン・アラビノシド(Ara-C)キロサイド静注1.0-2.0mg/kg・3日骨髄抑制、口腔潰瘍、食欲不振、悪心、嘔吐、脱毛
メトトレキサート(MTX)メソトレキセート経口   静注15-20mg/m2/週 0.5mg/kg-500g/m2口内炎、口腔消化管潰瘍、食欲不振、嘔吐、肝障害、骨髄抑制、骨粗鬆症
植物アルカロイド硫酸ビンクリスチン(VCR)オンコビン静注1.5-2.0mg/m2神経障害(末梢神経麻痺、イレウス、嗄声、筋力低下、知覚異常)、腹痛、脱毛
アルキル化剤シクロホスファマイドエンドキサン経口   静注2.0-2.5mg/kg/日 5mg/kg/週骨髄抑制、出血性膀胱炎、脱毛
抗がん性抗生物質ダウノルビシンダウノマイシン静注1mg/kg・3~4日骨髄抑制、胃腸障害、脱毛心筋障害
その他L1-アスパラギナーゼロイナーゼ静注250単位/kg・7~10日たんぱく質合成低下、体重減少、食欲不振、嘔吐、肝障害、膵炎、糖尿病、アナフィラキシー
  • 中枢神経白血病の予防

身体の免疫機構が残存白血病細胞を排除することを期待する一方、脳内からの白血病再発を予防する目的で、放射線療法やメソトレキセートの髄腔内注射が行われる。

  • 骨髄移植療法

化学療法では効果が期待できない場合に適応(化学療法で再発を繰り返す場合など)。

化学療法より骨髄移植療法のほうが期待できるタイプ(病型)の場合に適応する。

  • 補助療法

抗生物質や顆粒球増加剤の併用(抗がん剤の副作用である好中球減少を予防し、感染予防および重篤な感染症に対処できる、また抗がん剤の投与量の増加が可能になる)。

補助手段(高カロリー輸液、鎮静剤の投与など)で体力の維持強化を図る。

[看護]

バイタルサイン

体温、呼吸、脈拍など

  • 全身症状

顔色、発熱、食欲、疲労感、出血傾向、けいれん、視力障害など合併症の有無

  • 局所症状

腹痛、頭痛、骨・関節痛、血尿の有無、リンパ節の腫大(肝臓・脾臓の腫大)

  • その他

家族の様子(精神的、経済的、家族的など)、児の様子(活気、生活の様子など)

●看護ケアのポイント

治療上の合併症徴候の予防と早期発見

・消化器・頭蓋内の出血の早期発見(検査データをチェックし、予防的対処をとる)。血小板が50,000/mm3以下になると出血傾向。

・安静:ベッド上安静(血小板30,000/mm3以下は出血の危険性が高い)。年齢によっては安静保持が困難なため、治療中は個室で母親に付き添ってもらいながら安静を守る工夫をする。

・環境整備:転倒、打撲などの予防(毛布やタオルなどでベッド柵を覆い、また壊れやすい危険なおもちゃなどは避け、ベッド周囲の環境を整備する)。

  • 出血時の対処:鼻出血、皮下出血、歯肉出血、あるいは眼球出血など起こりやすい

・出血時は冷罨法・手指による圧迫止血や、あらかじめ綿球などによる圧迫止血の指示を受けておいて行う。

・安静を図る。

  • 感染予防

・治療による骨髄抑制のため、体力・抵抗力の低下をきたし、常に易感染の状態にあり、ときには致命的となるため、観察、異常の早期発見をする。

・医療者が媒体とならないよう感染予防を第一とした行動をする。

・皮膚・粘膜のケアを行う。

  • 苦痛緩和

・疾病そのものによる苦痛、治療上の苦痛は、患児や家族にとって苦しいものとなる。

・検査や治療時の事前説明:検査・処置は痛みを伴い、繰り返されることが多く、患児・家族の納得を得ることが大切。

・化学療法時の副作用への適切な対処:安楽な体位の工夫、食欲不振時の食事の工夫、脱毛時の対処など、身体的・精神的援助をする。

  • 家族への援助

・家族は、患児とともに兄弟がいる場合、母親の役割葛藤なども生じることがある。

・疾病への不安、動揺など精神的な苦痛の軽減。

・療養中の生活指導(長期に及ぶ治療の状況を説明し、発達段階に合った生活への指導)。

・社会的、経済的側面への助言(地域社会資源の活用やケースワーカーとの連携などを図る)。

・同疾患に悩む親の会など、全国(地域施設)ネットワークを紹介するなど家族の対処行動の拡大を図り支援する。

 小児の95%以上が急性白血病で、そのうち80%が急性リンパ性白血病(ALL)である。治療は、白血病の病型や種類、年齢、リスク度などに準じて、有効なものを選択し実施される。

●感染と出血、合併症(貧血、出血および他臓器湿潤)を予防し、治療による苦痛の軽減を図る

●治療が長期に及ぶため、日常生活への援助は基本的生活習慣の発達レベルや健康の状態を判断しながら、児の発達段階に見合う生活が送れるようにすることが大切である

●家族は、長期に及ぶ精神的負担を持っており、精神面への配慮を忘れることなく、信頼関係を築き上げることが大切になる

コメント

タイトルとURLをコピーしました