ネフローゼ症候群【看護計画】【観察項目】【事前課題】

事前課題Excel/Word
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小児事前課題 シリーズです!

事前課題は量がモノを言うと思っていますし、

時間をかける意味はありません

私たち過去の看護学生が時間をかけて実施しているので

ぜひ使ってください!!

大学生活は有限です。友達との時間と睡眠時間を大切にしましょう!

最後にwordダウンロードできるようになっています。

ブログ目標
  1. テスト勉強の際、電車に乗りながらケータイに赤シートをかざして勉強可能である
  2. 実習記録、看護過程の効率化につながる
  3. 実習中追い込まれた看護学生が朝の電車の中で有益な情報を入手できる。笑

※すべて医学書院をはじめとする看護の専門書からの情報です。

【疫学】

・突発性ネフローゼ症候群の腎組織像は80%が微小変化型である。(巣状糸球体硬化型、膜性増殖性腎炎、膜性腎症と続く)

・微小変化型の好発年齢3〜6歳、ピークは4歳。男児に多い。80〜90%は再発し40%は頻回再発だが加齢により減少。予後良好。

・巣状糸球体硬化型はステロイド抵抗例が多く予後不良。移植腎に再発が見られる。

・膜性増殖性腎炎はステロイド抵抗例が多く、発症後10年で3〜18%が腎不全に至る

・膜性腎症は半数が自然寛解するがネフローゼ状態持続だと予後不良

【病態】 

 正常では糸球体係蹄壁孔は維持され陰性に荷電し陰性荷電の血中蛋白は濾過されずに尿中に漏出しない。腎臓の糸球体の基底膜の障害により透過性が亢進し多量の蛋白質が尿中に露出(高度蛋白尿)する。その結果低タンパク血症となり血中膠質浸透圧が低下して、間質へ水分が移動し浮腫などの症状が生じる。間質への水分移動で循環血液量・腎血流量は低下し、糸球体で濾過されるナトリウムが減少して水分・ナトリウムが貯留する。循環血漿量減少によりレニン-アルドステロン系が亢進し尿細管の水分・ナトリウム再吸収が増加して浮腫が起こ増強される。

ネフローゼ症候群の分類

突発性(原発性)ネフローゼ症候群微小変化型、巣状糸球体硬化型、膜性増殖性腎炎、膜性腎症、メサンギウム増殖性腎炎
症候性(続発性)ネフローゼ症候群紫斑病性腎炎、ループス腎炎、IgA腎炎、溶血性尿毒症症候群、腎静脈血栓症、アルポート症候群、糖尿病
先天性ネフローゼ症候群生後3ヶ月以内:フィンランド型 生後4ヶ月〜1歳:フランス型(びまん性糸球体硬化症)

 糸球体の障害がなぜ起こるかは原因不明であるが糸球体の基底膜の障害により透過性が亢進するのは抗原刺激や感染などでTリンパ球が活性化され液性因子を産生すると考えられている。上気道炎、ウイルス感染で再発や増悪が見られ、高血圧持続で腎不全に移行しやすい。

微小変化型糸球体係蹄壁の陰性荷電が減少してアルブミンなどの低分子蛋白が尿中に漏出する。
広汎な糸球体障害球体係蹄壁孔も破壊され高分子蛋白が尿中に漏出する
先天性ネフローゼ上皮細胞足突起の分子(ポドシン、ネフリン等)異常で蛋白尿をきたすことが判明している

【症状】

・高度蛋白尿

・低タンパク血症

  • 浮腫(顔面、頭部、四肢など)
  • 腹水
  • 胸水

・脂質異常症

・倦怠感

・食欲不振

・顔色不良

・尿量の減少

・腹痛

・下痢

・凝固因子の尿中漏出、肝での合成亢進により凝固能が変化し(フィブリノゲン上昇、アンチトロンビンⅢ低下など)血栓症をきたしやすい

【検査】

・尿検査(尿タンパク)

・尿比重

・血液検査(総タンパク・アルブミン減少、総コレステロール増加)

・病理検査

診断基準

必須条件尿タンパク3.5g/日以上または0.1g/kg/日以上、または早朝起床第一尿300mg/dl以上。 タンパク尿の持続は3~5日以上。
低タンパク血症総タンパク量:学童、幼児6.0g/dl以下 乳児5.5g/dl以下 アルブミン :学童、幼児3.0g/dl以下  乳児2.5g/dl以下
高脂血症血性コレステロール値:学童250mg/dl以上 幼児220mg/dl以上             乳児200mg/dl以上
浮腫 

小児突発性ネフローゼ症候群の臨床像と腎組織所見

 微小変化型巣状糸球体硬化型膜性増殖性腎炎膜性腎症
臨床像頻度80%10%5%2-6%
好発年齢3-6歳(好発4歳)5-10歳(平均7歳)5-15歳(平均9歳)5-10歳(平均7歳)
性差(多い方)男児男児女児男児
血尿10-20%(一過性)60%80%10%
高血圧6-9%(一過性)20%10-20%まれ
ステロイド反応性90-95%30%60%ほとんど抵抗性
腎不全移行進行しない10年で40%10年で3-18%0-8%
腎組織所見光学顕微鏡ほぼ正常糸球体の巣状文節性硬化糸球体基底膜二重化、増殖性病変、分葉化糸球体基底膜肥厚、スパイク状突起形成
蛍光抗体法陰性硬化部にIgM、C3沈着メサキンギウム〜係蹄壁のIgG、C3沈着係蹄壁の顆粒状のIgG、C3沈着
電子顕微鏡上皮足突起融合上皮足突起融合 硬化部硝子様沈着メサキンギウム・上皮下沈着物糸球体基底・上皮下沈着物

【治療】

急性期:安静、水分・塩分制限

利尿期・回復期:安静、水分・塩分制限の速やかな解除

二次ネフローゼは原疾患の治療優先

・安静療法

浮腫が高度や頻尿の場合、安静臥床が望ましいが、たいていこの時期は患児もおとなしい場合が多い。症状緩和と伴に、自発的な活動が増える。また利尿期・回復期は制限を速やかに解除する。

病期症状・検査所見安静度
急性期/急性増悪期/再発期尿蛋白(3+) 高度浮腫 低タンパク血症臥床
利尿期尿蛋白減少 浮腫減少 尿量増加読書可
ステロイド維持療法への移行期尿蛋白(+)〜(―) 症状なし室内歩行可
ステロイド維持療法期完全寛解期尿蛋白(―) 症状なし学校での学習可 軽い運動可
不完全寛解期尿蛋白(+) 症状なし学校での学習可 軽い運動可(状態により運動制限)
治療期尿蛋白(―) 症状なし学校での学習・体育可  

・食事療法

大量の蛋白質喪失があるが、高タンパク食はかえって腎機能に負担をかけるため、普通食が配給される。浮腫の状況により、水分制限が設けられる。頻尿があれば水分・塩分制限をする。

・薬物療法

ステロイド剤:副作用 易感染、糖尿病、消化性潰瘍、血栓、成長障害、体重増加、満月様顔貌、食欲亢進

初期大量療法2mg/kg分3投与を4週間継続 1.3mg/kgを分1朝感覚で8週間投与 以後1.5mg/kg、1.0mg/kg、0.5mg/kgを分1隔日投与で2週間ずつ減量中止(計18週)
標準投与標準体重あたり2mg/kg分3投与を4週間継続 その後1.3mg/kgを分1朝隔日で4週間投与する(計8週)

ネフローゼ症候群の治療薬

分類一般名商品名薬理作用副作用
ステロイド薬プレドニゾロンプレドニン抗炎症作用 免疫抑制作用易感染性、白内障・緑内障、糖尿病、骨粗鬆症、血栓症、成長障害
メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムソルメドロール抗炎症作用(プレドニンの1.2倍)  不整脈
免疫抑制剤シクロホスファミドエンドキサン強力な免疫抑制作用骨髄抑制、出血性膀胱炎、性線障害  
シクロスポリンネオーラル強力な免疫抑制作用(T細胞からのサイトカイン産生抑制作用)腎・肝障害、高血圧、膵炎、歯肉肥厚、神経毒性、高血圧
ミゾリピンブレディニン免疫抑制作用(プリン合成阻害作用)骨髄抑制、高尿酸血症、肝機能障害

小児ネフローゼ症候群の寛解、再発、ステロイド反応性の分類

寛解完全寛解尿蛋白消失、血清蛋白正常化、臨床諸症状の消失
不完全寛解Ⅰ型尿蛋白(1g/日以下)、血清蛋白正常化、臨床諸症状の消失
不完全寛解Ⅱ型臨床症状消失かつⅠ型に該当しない
再発再発尿検査紙で蛋白尿が(3+)が3日以上持続
頻回再発寛解導入後6ヶ月以内に2回以上の再発
ステロイド反応性ステロイド依存性2回続けてステロイド薬減量中または中止14日以内の再発
ステロイド抵抗性最大量のステロイド4〜8週後に完全寛解、不完全寛解Ⅰ型に達しないもの

【合併症】

・低容量ショック(循環血液量減少による低血圧)

・血栓症(凝固因子の尿中漏出、肝での合成亢進により凝固能が変化)

           *フィブリノゲン上昇、アンチトロンビンⅢ低下など

・易感染性

・急性腎不全

【看護】

観察

・バイタルサイン

  • 体温、活気、機嫌、倦怠感、発言頻度
  • 血圧
  • 脈拍
  • 呼吸数、SpO2

・浮腫

  • 腸管浮腫、腹痛、腸蠕動音、腹水
  • 顔面(朝方に強い)
  • 頭部(朝方に強い)
  • 四肢
  • 胸水

・排泄

  • 尿量(24時間貯蓄、採尿バック)
  • 排尿回数
  • 排便回数
  • 便の性状(下痢の有無)
  • 尿比重
  • 排尿次の泡の量、大きさ(蛋白尿の目安)

・嘔気、嘔吐の有無

・体重測定

・腹囲

・血液データ

  • 低タンパク血症(TP、Alb)
  • 脂質異常症(TC、HDL-C、LDL-C、TG)

・2歳未満は泣くことで痛みを表現する。2歳頃から言葉で表現するが語彙が乏しいため、部位・程度・持続時間・周期性を把握するのは困難である。

・精神的な負荷により痛みが増強する可能性がある。

・免疫機能抑制のため感染予防を徹底する(手洗い、うがい、歯磨き、マスク、身体の清潔)。特に水痘に注意

・入院中、毎朝食事前に体重と腹囲測定

・通院中は早朝第一尿のテープチェック

砂糖萌🐾

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